無事に子どもも生まれて、育休に入ったけれど具体的に何をすれば良いんだろうと漠然とした疑問を持つ方もいると思います。里帰り出産でしばらくは家にいないよ、というケースの方でも参考になればうれしいです。
出産後ママの身体は傷だらけ
「産後の床上げ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。産後の女性が心身ともに回復して、敷きっぱなしだったお布団を片付けることをいいます。床上げの時期は大体産後1か月といわれ、それまではどんなに厳しいお姑さんも床上げするまでは赤ちゃんと一緒に寝て体を休めなさいと言われたそうです。それだけママの体は出産で大きなダメージを受けていて、回復するまでに時間がかかるということです。
私はこのご時世でも幸いに出産に立ち会うことができました。それはそれは壮絶なもので、いかに命がけの大仕事であるかということを目の当たりに気づくことができました。このときびっくりしたのが赤ちゃんが生まれたあとまもなくして、役目を終えた胎盤が外に出てくるのですが、これが思っていた以上に大きいのです!Mサイズのピザくらいの大きさをイメージするとピッタリかもしれません。これだけ大きなものがおなかの中から剥がれ落ちてくるわけで、外からは見えなくてもママのおなかの中にはそれだけの大きさの傷跡があるんだと思うと、赤ちゃんが生まれたからといって元通りに体を動かせるわけはない!と心から感じました。
ただでさえ十数時間、想像を絶する痛みに耐え、場合によっては帝王切開、会陰切開をしていることもあるのだから、男性が思っている以上に産後のママは心身ともにボロボロなのです。出産に立ち会ったこともあって、できることはできる限り頑張ろうと思えました。
産後1ヶ月は基本的に家事は全て引き受ける。料理が難しくても水仕事は積極的に!
そんなことで、産後1か月は母乳以外でできる家のことや子どもの世話はすべて引き受けました。具体的には炊事・洗濯・掃除・買い出し・おむつ・沐浴といった具合です。幸い我が家の場合、母乳の出が調子よかったので、母乳はママにあげてもらっていましたがそれ以外のことはほぼほぼ引き受けるイメージです。
もともと一人暮らしの期間が長かったし、料理は好きな方だったので、家事をやることに抵抗はありませんでした。世の男性の中には家事は全くだめ、家のどこに何があって、何をどうすれば洋服がきれいになるのかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。そういう方は、出産前から家の中のことになるべく興味を持つようにして、どんなに些細なことでも気になったら奥さんに聞いてみてください。
洗濯ものの干し方や畳み方、ごみの分別の仕方、掃除用具の場所などなど意外とわかってないことや、奥さんなりのルールをもって整理整頓されている場合もありますので、後々のトラブルをさけるためにも自信がなかったり、自分が知らないルールがありそうだと思ったら積極的に教えを乞うてみてください。はじめは上手にできなくても、きっと奥さんはその姿勢をよろこんでくれますよ。
また、家事の中にはどうしても無理!ということもあると思います。例えば料理だけはママに頑張ってほしいということであれば、予めそのように相談しておくとスムーズです。そのかわりに食後の洗い物やごみ出し、お風呂の掃除といった水回りの仕事や力仕事は率先してパパが引き受けましょう!
腕力がいる沐浴はパパの出番
生後1か月までは基本的に赤ちゃんのお風呂は沐浴です。ベビーバスなどにお湯を入れて赤ちゃんをお湯に入れて、体や頭を洗ってあげます。この時の姿勢ですが、基本的に片腕で赤ちゃんを支えて、空いた片手で体を洗ったり、すすいだりすることになります。つまり、結構腕に負担がかかる仕事です。
ご想像の通り、赤ちゃんが生まれるとたくさん抱っこをすることになります。これによって何が起こるかというと、特にママの場合、腕や手首を痛めることが多くあります。それこそ赤ちゃんを腕の力だけで支えるのが難しくなってしまうほど激痛を感じるケースもあるようです。
そんなときはパパが率先して腕力を生かして沐浴をしてあげてください。沐浴はパパと赤ちゃんとのとてもよいコミュニケーションの機会にもなります。お湯につかって気持ちよさそうにしている赤ちゃんをみるのはとてもいいものですよ。
手続き仕事もがんばりましょう
子どもが生まれると意外とやらなくてはいけない手続きがたくさんあります。
ざっと必須と思えるものを考えただけでも、
- 出産時育児一時金の申請手続き
- 出生届の提出
- 児童手当の申請
- 子ども医療費助成の申請
- 赤ちゃんの健康保険への加入手続き
これだけあります。いずれの手続きも期日までに行わないと不利益を被ってしまう場合がありますので、忘れずに手続きをする必要があります。
子育て・出産に関する制度や助成については、お住いの自治体で独自の支援策を行っていることもありますので、赤ちゃんが生まれたらどんな手続きが必要なのか、窓口はどこなのか、持ち物には何が必要なのかを前もって自治体のHPなどで調べてまとめておくと安心して手続きすることができます。特に出生届は生まれた日から14日以内に提出する必要があります。多くの場合、出生届の提出に合わせて芋づる式に児童手当や子ども医療費助成の申請をすることになると思うので、一度の手続きで済ませられるように持ち物などはきちんとチェックしておきましょう。
むすび
こうして書き出してみると、「やることが多くて大変だぁ」と感じるかもしれませんが、考え方によってはこんなにも家や家族にだけ向き合える期間もそうそうありません。家事や育児を「仕事」と感じてしまうと億劫かもしれませんが、普段のお金を稼ぐための「仕事」にかけているエネルギーをぶつければ案外楽しめるし、多くの発見もあると思います。そしてこうしたパパの積極性がママを産後うつの苦しみから守れるかもしれないのです。